1994年に創設された経緯

もともとは鹿嶋本社のある場所に、日本製鉄様（※旧・住友金属工業）の鹿島製鉄所が1968年に創業されましたが、それ以前には総勢50数社が存在していました。その内の一つである会社の所長をしていたのが、後に𠮷田工業の創業者となる𠮷田甫でした。私の父親であり先代の社長です。その会社が廃業することとなり、私の父親と数名の社員、協力会社の方々はどうしたらいいのかという話になりました。その際に、現在一番の取引先様である日鉄パイプライン＆エンジニアリング様（※当時の会社名は、住金鋼管工事）が深く関わってくださることとなり、先代が個人事業主として起業します。その後、𠮷田工業は建設業の業務を主軸とする形で、1994年11月に創設されました。

2012年に代表取締役に就任

建設業と言っても様々な仕事があります。1994年からの創業初期は、足場の仮設工事をメインに、断熱の保温工事も行なっていました。そうした業務を積み重ね、2001年に増資により株式会社へ組織変更。2012年5月には先代の退任に伴い、私が代表取締役に就任いたしました。その頃から、それまでの業務内容だけでなく、煙突工事や鍛冶工事などの各方面へ進出していく流れが生じます。率直に言って、それまで通りの形でも充分に経営は成り立っていました。「何もリスクのある新しいことをしなくても……」という声もありましたが、弊社は事業を拡大する道を選びます。取引先が特定のお客様頼みになるのは企業にとって大きなリスクとなりますし、いずれ業界の潮目が変わるだろうとの危惧を以前から抱いていました。

新しい分野への挑戦

2014年3月、千葉県君津市に君津営業所（現・君津支店）を開設し、大手である山九様と取引をさせて頂くことになり、君津製鉄所の構内で仕事をする運びとなりました。また、元々お付き合いのあった東洋テクノ様からも「煙突工事の仕事をしませんか？」との打診を受け、新しい事業を展開しようと決断しました。新しいことに取り組む際には、いろいろと課題が発生しますが、やらないことには先に進むことはできません。まずは挑戦してみようというのが、今の弊社のスタンスです。

存在感を高める新しい付加価値

弊社はこれまで、施工管理業務を主としてきましたが、君津工場では施工する人材を積極的に採用することに取り組んでいます。施工管理も、施工そのものにも、両面を深く理解することで、施工中に何か問題が起きた際にも「どうすれば安全・迅速に高品質な施工が実現できるか」と速やかな解決にも繋がります。本工（本採用の工員）さんのレベルを高めることで、弊社全体の価値を上げ、結果としてお客様に対しても、付加価値を高められると考えています。

製造部門の誕生

最近と言える2022年の4月には、埼玉県松伏町に松伏工場を開設しました。松伏工場では、建設業とは異なる製造の部門として稼動しています。取引先のお客様から業務移管の形で話が進行中です。私が代表取締役に就任した当時に思い描いていた理想型へ、着実に近づいている手応えを日々感じています。

次世代に託すための環境整備

今後のビジョンとしては、現在の良好な状態を継続していくのはもちろんのこと、時代が進むにつれて変化する社会のニーズにどれだけ柔軟に対応できるかというのが課題になります。その課題をクリアし続けていくにあたっては、何よりも若手社員の育成が重要です。次世代の人たちへ如何に良い形で繋いでいけるかが、今の社長である私の役割に他なりません。未来の𠮷田工業を担っていく社員たちに、どう託していけるか。若い人たちが時代に合ったやり方を見出して実践できるよう、その環境を整えるのが私の使命・責任だと捉えています。